「……今日は、叶くんとちゃんとお別れをしにきたの。」 前に進む為に。 “あの日”を、ずっと蟠っていたくはないから。 「…暁さん、莉茉と2人で話させて頂けませんか?」 叶くんが真剣な表情で、真っ直ぐな視線を向けた。 「あ?そんなの俺が許可する訳ねぇだろ。」 「っ、お願いします。」 頭を深く暁に下げる叶くんに、胸が締め付けられる。 「…暁…。」 私が暁の裾を引けば、冷たかった顔に柔らかい笑みが戻った。