寵愛の姫 Ⅱ【完】




……幸せそうに笑っていた莉茉を。



「……莉茉?」




莉茉の名前にお母さんの顔が少し歪む。




昔からそうだった。




莉茉に対して過剰な反応を、お母さんは示す。




「…ねぇ、茉莉ちゃん?本当にあの子だったの?」



憎んでいるとは違って、どこか怯えている節がある。



まぁ、その“理由”を私は知っているし、理解が出来るけど…。