「あの、叶様。」 「……。」 「私、愛美って言います。」 「……。」 「…その、今夜、暇ですか?」 計算された上目遣いで俺を見上げる女。 「……。」 うるんだ瞳で俺を見上げる女の脇を、返事を返す事なく無言ですり抜ける。 「……あっ、叶様」 甘ったるい香水の匂いと、残念そうな女の癇に障る声を背に、歩みを進めた。