「暁、あのね? ………本当に怖いのは、存在を“無”にされる事だよ…。」 莉茉の瞳が遠くを見つめる。 「…ねぇ、暁。」 「何だ?」 「…………そこに“在る”はずなのに、誰も見てもらえない時の恐怖感って分かる?」 「…いや…。」 首を横に振る。 常に高崎組の跡取りとして注目されていた俺には一生、分からない感情だろう。 だから、 …………きっと莉茉の痛みを完全には共有する事は出来ない。