寵愛の姫 Ⅰ【完】





「莉茉…?」


その小さな“彼”の声にびくりと私の肩が跳ねた。





…まさか……




偶然にしても“彼”と会う訳がない。





そう、言い聞かせて恐る恐る視線をそちらに向ける。



「っ、」



目の前が真っ暗になった。




……なぜ、彼がーーー。



「…叶くん…。」


呆然と立ち竦んだままこちらを凝視する叶くんがいた。