「………。」



「………。」







私達の間に流れる、無言の時間。








天野さんは、多くを語る訳でもなく、ただ私と同じように人の波を見ながら、黙って煙草を吸い始めた。






そんな彼は、周囲の視線を集める。







初めは慣れなかったけれど、同じ事が続くとそれが気にならなくなった。









同じ時間を、彼と2人で過ごす。






そして、私が立ち上がって帰り出すと、天野さんもこの場所から立ち去って行く。






別れ際に、もう来るなと言い残して…。





その繰り返し。








初めは緊張した。







でも、何度も同じ事の繰り返しだと、私の天野さんへの警戒心は薄れていく。







むしろ、



………………心地が良いと思っていた。