それは恒例の繁華街への見回りの時だった。 「……。」 突然ぴたりと立ち止まる暁。 ーーーー“何”かを一心に見ていた。 「……若?」 「……。」 俺の声にも反応しない暁に訝しんで視線の先を追えば、 …………あり得ない事に1人の女に行き着く。 ……嘘だろ? 何度も目を疑うが、間違いなくその目は女へと向けられている。 まだ冬だと言うのに、コートさえ羽織らずに俯く横顔を、暁は黙って見つめていた。