それは、あまりにも不意打ちの声で。 「ーーあ?」 期待に弾んでいた男は、それでも、それが自分に掛けられた声だと分かったんだろう。 低い声が、その証拠。 「っっ、」 その低い声に、ぶるりと身体を震わせる。 …………怖い。 私の腕を引っ張っていた男がその声に足の歩みを止めて、不機嫌そうに後ろに振り返った。 「っ、天野さん!?」 が、 男のその不機嫌さも一瞬で蒼白な表情へと変わる。 そのお陰で、私を掴んでいた手の力も緩む。 「…?」 首を傾げ、目を瞬かせた。 天野さん…?