「ん…んー」




寝ぼけ眼を擦りながらベッドから降りて、一階に居るであろう北斗の元に向かう。



また朝っぱらからホラー映画を観てると思い、リビングに続くドアを開ける。




「ほくと…?」




ドアを開けた先には誰もいないリビング。


今日友達と遊ぶって言ってたっけ?



てか、北斗が夏休みに外に出ること自体珍しい…。





だって北斗が夏休み中外に出るとしたら、それはホラー映画を借りに行くためだから。


一気に何本か借りてくる北斗はそうそう家から出ないのに…。




ぶーっと頬を膨らまして地団駄を踏む。





今日は北斗誘って、近くに出来たアイス屋さんに行こうと思ってたのにー!





「北斗のバカぁぁあああ!!!」






叫んでから、フンッとそっぽを向いて気持ちを落ち着かせようとすると、




「ひぎゃっ!」





どこからかケータイの着信音が聞こえてきた。



怖いと思いつつも一向に鳴り止まない音。




恐る恐るその音が聞こえる方へと歩いて行くと、あたしのケータイが鳴っていた。