あたしたち七瀬姉弟は正反対の姉弟なのだ。
あたしは怖いのがめちゃくちゃ嫌いで、北斗は怖いのがめちゃくちゃ好きなのだ。
「ひっ⁉︎」
窓の外で物音がぁぁあああ!!!
タオルケットに丸まりながら、早く寝付け早く寝付けと口の中で呟く。
…無理だぁ!!
さっきの物音で目が完全に覚めちゃったよ…。
「…ほくとぉ」
恐怖心からか涙が出てくる。
タオルケットに包まってても恐怖心は薄れない。
ピョコっとタオルケットから顔を出して部屋を見回す。
真っ暗な部屋の中は静かで、逆にそれが不気味で。
「ほくとぉ…」
グズグズ泣きながら、片手にタオルケットを掴んで部屋を出る。
そのまま暗い階段を踏み外さないように気をつけながらも急いで降りる。
「ほくとっ!」
「うわぁっ!!」
バンッとドアを開けて、ソファに座りながらテレビをガン見している北斗に抱きついた。