「…ん、…ちゃん」


「んんっ、」


「姉ちゃん」





重たい瞼を開ければ、間近に北斗の顔が。




「…北斗」





むぎゅっとその首に腕を回して抱きつく。



「…はぁ」




ため息をついた北斗。




まぁ、あたしがホラー映画を観た後とかに甘えるのを知ってる北斗は嫌な顔をしつつも相手をしてくれる。




そしてそのままおんぶされて、映画館を出た。


ショッピングモールを出て、あたしが停めた自転車の場所まで連れて行ってもらう。




「北斗は何できたの?」


「徒歩」


「じぁ、二人乗りして帰ろう!」


「俺はどうすればいいんですか?」





…?

その聞き方的に、家に来るって感じなんだけど…?




「…家に来るわけ?」


「そうですけど」





何か問題でも。と、笑った露崎遥に頬が引き攣る。



あれ絶対黒い笑顔だよ!