「怖いんですか?」




怖いに決まってるでしょ⁉︎




「俺の膝の上にでも座りますか?」




座るわけないから!





怖くて泣いてるあたしは声が出せないから、目で訴える。




北斗に助けを求めようと左側を見れば、いつもリビングで観るみたいに真剣な表情で観てたから、話しかけるのを断念する。





左手で涙を拭う。



もういい…。

寝てやる!





目を閉じて寝ようとすると、右手を温かい何かに包まれた。



目を開ければ、優しい顔をした露崎遥と視線が絡む。




「手を繋いでれば安心しますよ」


「……」




振りほどこうにも、その安心感からか手をふりほどけない。




「寝ればあっという間に終わりますよ」



穏やかな顔で笑った露崎遥は優しい手つきであたしの頭を撫でる。



だんだん重くなってきた瞼。


周りの音が何も耳に入らない。



けど、





「おやすみ」






露崎遥がそう呟いたのは聞こえた。