「なんで北斗外にいるの?」
「あぁ、それは、」
「それは新作のホラー映画観るためですよ」
あたしと北斗の会話に入っていた露崎遥。
「ルリも一緒に観ますか?」
年上のあたしをなぜか呼び捨てにしてくる露崎遥。
これは会った当初からで注意しても直らないから、もう注意するのすら面倒くさくなってそのままにしてある。
「…観ない」
北斗の胸元に顔を埋めて露崎遥の存在を見ないようにする。
「って、言ってももう三人分チケット買っちゃったんですけどね」
…こ、こいつ!
絶対あたしが嫌がるの知ってて買ったんでしょ!
「それよりなんで姉ちゃんがここに居んだ?」
今更な質問をしてくる北斗。
それに対して笑う露崎遥。
…帰りたい。

