学校に着いて、唯翔と話しながら下駄箱を開けたとき、スッとなにか白いものが落ちた。


「なにこれ?」

それを拾ってみると、白い封筒で宛名は書かれていない。

まぁでも、あたしの下駄箱に入っていたんだからあたし宛てなんだろうけど…。


「なんだ?ラブレターか?」


突っ立っているあたしの手元を覗く唯翔。


「え、違うでしょ」


あたしは取り敢えずその封筒をカバンにしまって、唯翔と教室へと歩きだした。

「あ、おはよう芽衣、それに唯翔くんも」

階段を上っていると、上から声がした。

少し上を見ると、有莉沙が手を振りながら階段を降りてきていた。


「有莉沙!おはよ~」

「はよ、南川」

「もう、朝からいちゃいちゃしちゃって!」

「してないし~!」

悪戯な笑みを浮かべる有莉沙の脇腹を少しつつく。


「芽衣、地味に痛いよやめて」

「それより有莉沙はどこ行くの?」

「んん~、なんかね、校舎裏に来てって呼び出されたの」


「誰に?」

「知らない、下駄箱に手紙が入ってた」


下駄箱に手紙、という言葉にあたしも、欠伸をしていた唯翔も顔を見合せた。