……お風呂、入り終わったらまた包帯叔母さんに巻いてもらうのか…。
何か申し訳ないし、自分で出来るようなるため、叔母さんに聞こう。

私はトントンっと階段を降りていき、先にお風呂に入ることを叔母さんに伝えようとすると、怒鳴り声が聞こえてきた。

「お兄ちゃんはいつもそう!!お父さんやお母さんに逆らえないで……!」

叔母さんの声だ…。どうしたんだろう。
私は少しドアをあけて、気付かれないようリビングを見た。
あ、清志さん帰ってきてる…。

「仕方ないだろ?!俺はこの会社を背負って…」

お父さん、何そんな叫んで…。

「そんなのいいわけにすぎないじゃない!!お父さん達に反抗する勇気が無いだけでしょ?!
家族の気持ちをもっと考えたら?!これじゃあ、秋穂ちゃんがあんまりにもっ…けほっごほっ…」

「陽子!大丈夫か…?」

叔母さんが咳き込むと、清志さんが叔母さんの背中をさすりながら心配そうな顔で見ていた。
と、その時、後ろからとつぜん

「どうしたの姉ちゃん?こんなとこで。」

と、律郎が話しかけてきた。
その声で皆がこっちを見て、私たちがいるのに気がついてハッとした顔をしていた。

「…とにかく俺は帰る。じゃあな。」

そして父親はドアを開けると、私を無視して玄関から秘書さんを連れて出ていった。