「い、いつもこんな感じなんですか?」


真央くんの腕を引っ張りながら歩く紫苑先輩に問いかければ、頷きが返ってくる。


「そうね。活動としては運動部の練習着やユニフォームの洗濯がメインかも」

「な、なるほど。じゃあ文化部とはあんまり関わらない感じですか……?」

「あんまりっていうか、全く関わらないわよ。洗濯するもの無いし」

「そ、そうですか……」


その答えにほっと息を吐いていれば、不思議そうに紫苑先輩が首を傾げた。


「あ、いえ、ちょっと特に意味はないんですけど」

「そう? ならいいけど」


へらりと笑って曖昧に受け流す。と、不意に感じた視線。

そちらへ顔を向けると真央くんがじっと私を睨むように見ていた。

私の心を読んでいるような、探るようなその目つきに背中がぞわりと震えた。


「あ、保健室のものを洗濯することもあるかな」

「え? あ、そ、そうなんですか?」


真央くんからパッと視線を逸らし、紫苑先輩を見上げる。

真央くんはまだ私のほうを見ているような気がしたけれど、その視線から逃げるように紫苑先輩を見た。