いつのまにか、時間が過ぎていた。
何かしたいわけではなく、
ただ横になって天井を眺めてた。
春妃が出ていってから、
どのくらい経ったんだろう。
重い腰を起こし、
部屋を出てバーで飲むために、
一人で出かけた。
多分、春は、アパートにいるはずだから、
バーになんか向かわないで、
迎えに行ってやればいい。
頭のなかにそんな考えが浮かんだ。
でも、何て言って呼び戻せばいい?
お袋や彩夏のことで、
怒ってるわけじゃないと言われても、
他に何をやらかしたのか、見当もつかない。
俺からすると、
手を差しのべようとすると、
春妃は、俺の援助を拒絶する。
春なんて、勝手に強がってればいいんだ。
学生時代も、春妃も旅行に連れていきたくて、
旅費なら払うからと言ったら、
すごい剣幕で怒られた。
俺としては、
春と楽しく過ごすことが出来れば、
金の出どころ何かどうでもいいのに。
春は、いちいち突っかかってくる。
それなのに、
いつも肝心なことは言わないで。
まったく、
俺の事なんだと思ってる。
春がなんだって言うんだ。