「ホットミルクでいいか?」

「子供みたい」

「今日は、酒は止めておけよ」

「うん」


「昔、飲んでただろ?」


「そうだね。いいよ、それで」


「甘くしておいた」



自分用にも作って、そっちには、
砂糖を入れないでおいた。

春は、マグカップを見つめながら言う。

「お金を借りた相手と付き合ったりしたら、
後で何か言われるって思って止めたの?」


「春を受け入れなかったのは、
そんな理由じゃないよ」


「どんな理由?」


「春妃の気持ちがわからなかったから。
あの時は、普通じゃなかったし」


「好きじゃなきゃ、
あんなことしないやに決まってる」


「こんなことくらいしか出来ないって、
泣いてる女に、
手なんか出せるわけないだろ?」