必死に涙を引っ込めようとしたけど、
そんなことは無駄

「うぅ、ひっく、せぃや、ううぅ」

どんどん溢れてくる涙は
限りを知らない

誓優は、黙って私の背中をずっと擦っていた

私が泣き止むまで、どれくらい時間が
たったのだろうか

「よし、泣き止んだな
で?お姫様、泣いた理由は?」

「桜華が、私の過去に触れた
家族が組に殺されたこと、それを言った」

「そうか、お前は
家族好きだったのか?」

「うん。大好き
でも、もう逢えない。私が死ななきゃ」

「滅相もないこと言うなよ
優綺は、優綺だろ?俺がお前の好きな人になってやるよ」