「おい。お前。」

「なんですか。」

「名前。」

名前?

「名前が何ですか?」

「名前なんて言うんだよ。」

はぁ?

「教えても意味なくないですか?
すぐ私は消えるんですから。」

「別にいいだろ。」

「そうよ!教えてよ!」

はぁ…

しょーがない。

「清水 真生です。」

「私は田中 玲奈よ!」

「俺は田中 亮だ。」

「俺は田中 優だよ。
よろしくね。真生ちゃん。」

よろしくって。
別によろしくしないし。
でも皆さん、田中?
兄弟かな。

「ええと、俺と亮は兄弟で、玲奈はいとこだよ。」

ふーん。

「それでね、俺達は訳あって3人で暮らしてるんだ。」

え。
そうなんだ…

「言っちゃっていいんじゃないかしら?」

「別にいい…」


どういうこと?

「わかった。俺達は親に殺されかけて捨てられたんだ。
他にも色々あったけどね。
それで一緒に暮らしてる。」

「え?それって…」