「まあ……まだ高校生だもの、出会いはまだ沢山くるよね」


「うん。琉奈はさ、春翔と付き合って何したい? ……やっぱりデートとか?」


そういえば……考えてなかったな、そんなこと。


「桃花は? 桃花は付き合ったら、なにがしたい?」


「私は……好きな人とずっと一緒にいたいな」


「……そっか。……あれ?」


「えっ? なに?」


私は視線を感じて振り返った。だけどそこには誰もいない。


「なんかさっき、……誰かいたような……」


私達は屋上を出て階段を降りていると、壁に背中をつけている春翔くんがいた。


「春翔……?」


「あはは……バレちゃったか」


春翔くんは首の後ろを掻いて笑った。


「桃花、昨日僕が振ったことショックで落ち込んでるのかなーって思って様子見にきたんだけど……」


「……春翔――……っ」


隣にいる桃花は、突然泣き出した。


「春翔っ……心配してくれてたの……?」


「うん! 明るくないと桃花らしくないじゃん! ほら、涙ふいて!」


そういって桃花に春翔くんはポケットからハンカチを出して、桃花に差し出した。


「ありが……とう……。春翔……これからもずっと友達でいてくれる……?」


「うんっ、もちろん!」


「春翔……、本当にありがとう……!」


春翔くん、本当に誰にでも優しいな……。桃花もずっと友達でいられてよかったね……!