私は授業中、冬翔くんにメモ帳に【冬翔くんの好きな人って誰?】と書いて渡した。冬翔くんは舌打ちしたあと、メモ帳になにかを書いて渡してきた。……【教えねぇ。あいつらにどうせいうんだろ】と乱筆で書かれていた。【大丈夫、2人だけの秘密にするから!!】と書いた。


「チッ……。ちょっと保健室いってくる」


そういって冬翔くんは先生に許可を得て教室を出た。


「ありゃりゃ。冬翔怒っちゃったねぇ……」


春翔くんは苦笑いをしてそういった。


「冬翔、なにかイラついてたりするとすぐに保健室に仮病使っていくから……」


「そうなんだ……でも、絶対桃花のこと好きだよね〜」


「うん、家でずっと桃花とメールしてるし、たまに笑ってるし」


桃花は……?桃花は冬翔くんが桃花のことが好きってこと、知ってるのかな……。私は昼休みに桃花と屋上へいった。


「なんか懐かしいね……昨日のことなのに」


桃花は屋上をぐるりと見渡してそういった。


「ねぇ桃花。まだ春翔くんにフラれたことショック……だよね」


「うん、……ちょっとだけね」


そういって桃花は笑った。