そして時は過ぎ……。


「……よしっ、準備OK! マロ、いってくるね」


私は朝顔の柄の浴衣をきて、ナチュラルなメイクをして待ち合わせ場所にいった。……春翔くん、もうきてる。


「春翔く〜ん! 久しぶり〜っ!!」


「あっ、琉奈ちゃ……」


?どうしたのかなぁ?春翔くんは私を見てぼーっとしている。


「……春翔くん?」


「……あっ、ごめん、浴衣姿似合ってるなーって思って」


「!! ……そ、そう……?」


「うん! じゃあ、いこっか」


私達は屋台が沢山並んでいる道を歩いた。私は綿あめ、春翔くんはリンゴ飴を買って食べた。


「……あっ、春翔くん! 金魚すくいやろうよ!」


「うん!」


私達は金魚すくいのおじさんに器とポイをもらってやり始めた。


「うーん、やっぱ大きいのはとりにくいね〜……って、春翔くん!?」


春翔くんの器には沢山の金魚が……!!私も負けてられない、頑張らなくちゃ……!と思ってすくった瞬間。


「……あっ、破れた……」


「はいっ、おまけ」


私はおじさんから金魚をもらって春翔くんと再び歩いた。


「うぅ……1匹だけかぁ……」


「……僕がとった金魚、あげよっか?」


「えっ……、いいの?」


「うん! こんなに家に持って帰ったら冬翔がうるさいし」


「そっか……じゃあもらうね、ありがとう春翔くん!」


私達が屋台が並んでいる道を歩いていると、春翔くんの手が触れた。


「! ごっ、ごめ……」


「……手、繋ぐ? 人多いしはぐれないように」


「う、うん」


「……あっ、琉奈ちゃん! もうすぐ花火打ち上がるからこっちにいこう!」


春翔くんは私の手を優しく握り、川の近くに来た。そこはあまり人気がなくて、少し暗かった。