不安で押し潰れそうなユアンの身体をステラはそっと抱きしめた。


王にふさわしい――なんて言ったが、この臆病な弟は自分の代わりが務まるのだろうかというのがステラの本心だった。



(でも、それも運命よね)



窓から差し込んでいた光は雲に隠れてふいに部屋が薄暗くなった。



まるで二人の心の奥を煽るかのように。






「この国をお願いね」