王宮の秘薬


長い廊下歩いていると、ただひたすらに考えさせられる。



スカーレット公はあの場で私を試したのだろう。


しかしヴェルズ王は第一王子のユアンを呼んでいたのかもしれない。


一般論からすると、第一王子が王太子になるのだから。



「ヴェルズの皆様は……私ではなく弟のユアンが来るものだと思っておられたのですね」


きっとそうだろう。

そう思っていたが反応は違うものであった。


「いいえ。ヴェルズ王はあなたをお呼びですよ。とはいえ、提案したのは私ですが」


「どうして……」


レオの表情は一瞬苦いものとなった。


「あなたを人質のような扱いをするつもりはありませんよ。あのような書き方で誤解を招いてしまい申し訳ありません。あの宰相に事の裏を知られると少々厄介ですので……」



それはステラにとって事の根本からひっくり返る発言だった。


父王が退位した後、

王になる為の教育を受けていないユアンを王位に就かせ、

ラズラエザ国内が不安定になった時に裏で支配するのだろうと思っていたのだから。



(人質じゃないなら……)


なんのために?


「ここでは申し上げられませんので、お部屋で詳細を説明いたします」


まるでステラの心を読むかのようだった。


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案内された部屋は、ステラがラズラエザ王宮で過ごした部屋とほとんど変わらないほどの広さだった。

ステラは用意されたお茶を飲んで一息ついた。