オトコなのにオンナ……なのにオトコ!?




店内は人だらけで小さい俺は見るだけで一苦労。



指輪。


ブレスレッド。


ネックレス。


キーホルダー。


ベルト。



身につけるものっつっても結構種類があるもんなんだよな?



和樹をぜってーに喜ばせてやりたいし……。



「おねーちゃん、何探してるの??」



きょろきょろする俺にタンクトップに全身蛇柄の刺青のオトコが声をかけてきた。



怪しいが……おそらく店員なんだろう。



「彼氏に指輪のお礼で何か買いたいんだけど……珍しいのない??」



ちらっと俺の左手を見て、髭面に似合わない笑顔でそいつは手招きした。



レジ横に連れてこられると、そこにはペンダントトップがずらり。



その中から一つを取り出して俺に見せた。



ゴツめの十字架のデザイン、その真ん中には……俺の指輪に付いているヤツとそっくりなキラキラ光る石。



「どう?お揃いっぽいけど」



すげー!!!



同じ石。



「それっ買います!!!」



キレイに包んでもらって店を出た。



あの後、良かったらサービスで名前入れるよ?



そう言われて姫奈のHと和樹のKを彫ってもらったんだ。



見た目は怪しいけどいいヤツじゃねーか、ヒゲ!!!



俺はるんるんでスキップしながら家に帰った。