「実は……」
何から言ったらいいんだ??
和樹は黙って見ている。
「パパ転勤するんだって……今度は家族全員で。」
和樹の顔が軽く白くなる。
「……で、今度はどこよ?」
なんてったって幼なじみ。
「和樹君にもお土産買ってきたからね~」
なんてのは日常茶飯事で
和樹は父親の買ってくる「まりも」だとか「さるぼぼ」だとか「もりぞー」だとかで遠くにばかり行ってるのは知ってるからさ。
今度はどこ?……か。
「……ぃ……す」
たん、たん、たん。
体に伝わる振動。
和樹は俺を責めない。
言葉にならない俺の頭を優しくぽんぽんしながら待っている。
だけどこのままじゃダメ!!俺もオトコだ!!!
「……ぱり……だよ?」



