初日の見学は京都。
寺や神社には興味はないが……。
隣に和樹がいるおかげで幸せな俺。
班決めの時にずるした事はみんなには内緒だ。
眩しく光る金閣寺。
「ほら並んでっ」
カメラを持った香織に急かされ並ぶ二人。
「はいチーズっ」
!!!!!!
シャッターが切られた瞬間……俺の体は和樹に抱きすくめられていた。
「せっかくの記念だし!」
いつの間に……和樹の体はこんなに大きくなっていたんだろう?
昔は一緒ぐらいだったのに逞しくなった腕に鼓動が早くなる……。
俺の体が普通に男だったらヤバイ反応をしてしまいそうだ。
香織とハグしたって何とも思わないのに……不思議だな、恋ってやつは。
「夜抜け出せる?」
耳元で聞こえる声にこくこくと頷く。
バレたら厳重に注意されるだろうけど関係ない。
「いつまで抱き合ってんの?アタシと智也も撮って♪」
俺達に負けじとくっつく二人に苦笑しながらシャッターを押してやり、土産物屋に四人で向かった。



