和樹に手を引かれ部屋に入った。
「珍しいじゃん?姫奈が突然来てくれるなんて♪」
確かに約束無しで来るなんて何年ぶりだろう??
机の上に置かれる修学旅行のパンフレット。
マップになにやら○がつけられていた。
「和樹……何?この印」
「ちょっとおい!ダメだって!!」
慌てて隠される。
「姫奈とデートしたい場所チェックしてたの。だから見るなよ?」
そんな事……考えてたんだ。
思わず和樹の手を握った。
毎日繋いでるあったかい手。
この手を離さなきゃいけないなんて。
結局、俺は何も言えず……もう何度目かになるキスをした後、家に送ってもらった。
「今日は来てくれてありがとな。嬉しかった!」
どうしたらいい?
胸が……痛過ぎる。



