オトコなのにオンナ……なのにオトコ!?




この階段から上がってくるって事は奈緒とすれ違ったよな?



って事は乱暴者だってレッテル付きかよ。今日は最低な一日だ。



あそこで我慢しておいたら……めでたく両想いになれたのか?



なんてな。



「姫奈っ!!大丈夫か??」



「あいつらオンナの子の顔殴るか?普通……。」



そう言われて初めて顔を少し切っている事に気付いた。



確かにフツーは顔殴んねーよな?俺だって傷は付かないようにしてやったし。



「俺のせいで……巻きこんでゴメン。」



和樹は……乱暴だと責めるでもなく、呆れる訳でもなく……ただ謝罪の言葉を吐き続けた。



俺の問題でもあるのに。



「もういいから……顔上げて?」