オトコなのにオンナ……なのにオトコ!?




「こんばんは~同じ学校なんだって?」



見上げると……最後のバンドのボーカルの人が立っていた。



背がかなり大きくて、アズも首を急角度に変え見上げている。



「君にお願いがあるんだけど……」



「アタシ……ですか?」



「今からちょっとスタジオ入るんだけど付き合ってくれない?隣の君も一緒でいいから」



ピエちゃんはこれから打ち上げらしいし。



隣の君、アズは軽く戸惑っている。



「姫奈、どーするん?」



「どーするって言われても……」



俺的には行ってみたい。



羨ましくなるだけかもしれねーけど。



少しだけ悩んで結局……素直に従う事にした。基本的に頼み事を断れないのが俺だったりする訳で。



「なんかセンパイって感じじゃないなぁ。ミュージシャンに見えるわ」



「だな?カッコイイよな?」



ガチャガチャとスタジオに着くなり先輩達は支度を始めて……