「あのー……」
店内は結構静かだと言うのにアズの母親は見向きもしてくれない。
「すみません!!」
ディーラーのお姉さんが俺に気付いたのかアズ母に合図を送った。
「なんやねん?今いいトコやのにっ!!」
ようやく気付いてもらえた俺だったが……。
「誰?」
「あずみさんの友達で大城姫奈と言います。」
あぁと何かを思い出した顔。
「名前は聞いてるわ。で、わざわざ何の用なん?」
「アズが熱を出して寝込んでます。早く帰ってあげて下さい」
よし、伝えたし!!
これで一安心だな。
くるりと背を向け、ピエちゃんの所へ戻ろうとした俺にアズ母は言った。
「わざわざありがとな?でもまだ戻られへんわ。今日負けた分取り戻すまでは!!」



