それに……!?
「アズの親の顔だって……」
あ……。
そうだった。俺ってやっぱりバカだ。
「教えてやるから、行くぞっ」
「うん!!」
ピエちゃん本当は優しいんじゃん。
本当は、じゃないか。
アズの唯一の心の拠り所だったんだもんな。
「ピエちゃん、ひょっとしてアズの事?」
「それ以上言ったら殺すから」
ピエール怖っ!!
前言撤回!!やっぱりピエちゃんは優しくないです。
ギシギシと音を立てて開く扉の向こうには金持ちそうな奴らばっかりが優雅に歩いていて……黒服のオトコがこっちに気付き歩いてきた。
俺達どう考えても場違いじゃね?
ちょっとだけ焦る俺にピエちゃんは動じない。
「坊っちゃん、どうされました?こんな所で!」
何故なら……黒服に「坊っちゃん」と呼ばれたのは紛れもなくピエちゃんだったんだから!!



