たったったっ。ガシャっ!! 走って戻るとアズは熱に浮かれた顔でこっちを見ている。 「なぁ、アズ体温計がないんだけど?」 「あるやん?」 「どれだっ!?」 アズが指差したのは”うさぎさん”の顔が書いてあるうっすいテープみたいなものだった。 「違っ俺が言ってるのは体温計!!」 そのぴらぴらした物体を手に取ると・・・黄色かったうさぎさんの色がオレンジに変色した。 「まさ……か?」 「熱で色が変わんねん」 アズの家の体温計は……驚くぐらいに超原始的だった。