アズの手を引いて歩く。
傍からみたら小さな俺がフラフラしたアズを引っ張ってる変な図なんだろうけど関係ねー。
「姫奈……そんなドスドス歩いたら人に見られんで?」
「いいから黙ってろ」
繋いだ手は更に熱を帯びていて俺を不安にさせる。
アズのお母さんが家にいてくれる事だけ、俺は祈った。
ガチャっ。
「ただいま~って誰もおらへんねんけど」
いないのかよっ!!
なんで……アズは一人なのにこんなに強いんだ??
「連絡先は?っていうか体温計は!?」
「何で姫奈がそんなテンパってるん?大丈夫やし」
いつもの事やし……そう強がるアズをとりあえずベッドに寝かせると教えられた場所で救急箱を探した。
初めて来た家を漁るのは気が引けるんだけど……緊急事態だ、仕方ない。
ん?これか?
リビングで小さな箱を見つけて……



