速攻で和樹に手紙を出したのは言うまでもない。
俺の試験の関係で渡航日は6月1日。
こんなに早まるなんて……和樹に触れられるなんて、胸が高鳴る。
最近良くも悪くも「俺」でいる時間が増えてるだけに、姫顔をしっかり思い出さねーとな。
「良かったやん!」
一緒に喜んでくれるアズがちょっと寂しそうなのは気になるけど。
ま、ピエちゃんもいるし大丈夫だろう。
「でもすげー緊張する!今までは毎日逢ってたのにな?」
「やっぱりオンナで逢うんやろ」
「当たり前。俺が”俺”なのは保健室とアズの前だけだから」
そう言うとアズは嬉しそうに笑った。
こんな場所を作ってくれて感謝してるのは俺の方なのに。
「あ、今日うち寄っていきーや!姫奈のライブ服用意したし」
「マジでっ!!サンキュっ超嬉しい!!」
アズに思わず抱きつく俺。
背が高くて余計な肉が付いてないアズの細い体は小さな俺が飛びついた所でびくともしない。
……っ!!
「アズ、体熱っ!!熱あるんじゃね?」
体温が異常に高い!!
「そんな事あらへんっ!!」
焦ってアズは俺の手を引きはがす。顔も赤いしぜってーヤバイって!!
「ダメだ!!すぐ帰るぞ?」



