……にしても、空港って広いんだな。



不在がちの父親の見送りでは何度か来た事あったけど……今日はなんかすげー広く感じる。



「姫、しばらく自由行動な」



優弥にそう言われて俺達は並んで歩き出した。



まだ時間はある。



その時間を俺と和樹の為にくれたって訳だ。



「なんかすげーな?こんなに何でも売ってるもんなんだ」



慣れない空港の空気にちょっと驚きつつちゃっかり見物してるのは見え見えだぜ?



だってさっきからサッカーものの売り場に見入っちゃってるし。



「買う……?」



目を丸くする和樹。



「い、いやっ何言ってるんだよ。姫奈とお別れの日に買い物なんて…。」



「限定って書いてあるねっ!」