オトコなのにオンナ……なのにオトコ!?




散々迷った挙句セーラー風のデザインのスーツを選んだ。



何でかって?だって俺は中学でセーラー服着れないじゃん?(着たい訳でもないけどな?)



なんせ俺の向こうで入る学校は私服らしいし。



仮にオトコだったとしても学ランは微妙だよなぁ。なんか暑そうだしカッコよくないし。



いいよな~私立のブレザーとかさ。アレだったら是非着たいんだが。



あ、でも和樹は学ラン中学生になるんだっけ?



そう言われれば和樹の学ランはありかも!?なんて俺ってば……単純♪



制服の写真は絶対に送ってもらうの決定だな。



バタンっ!!



大きな音で静かな一人妄想の時間が途切れる。



勢い良く開放されるドア。



「姫ちゃん!!見つけたわよ!!!」



息を切らして階段を駆け上がってきた夢奈母が持っていたのは……。



「ダーリンがね~昔仕入れたんだけどあんまり売れなかったのよね☆」



良かったわ、蔵に残ってて。そう口にする夢奈さんの手には水兵さんの帽子(ポパイ!?)が添えられていたのでした。



「セーラー風でも帽子はイヤっ」



……そんな俺達親子がバカな時間を過ごしている間に裏ではあんな計画が立てられていたなんて。



俺は知る由もなかった(次回予告か?)