オトコなのにオンナ……なのにオトコ!?




そんな親子の絆を深めた?冬休みが終わり……。



もう授業はほとんどいいかげんで卒業式の準備に時間が割かれる。



クラス中に飛び交うサイン帳。



お別れの言葉を書くものとは言え、基本的にみんなはこのまま同じ中学だし



「中学でもヨロシク!」



「これからも友達でいてね♪」



なんていう前向きな言葉がずらっと並ぶ。だけど俺は……



「姫奈……お願いしてもいい?」



そう言うのは香織だ。



別れる人間にとって最後かもしれない言葉。



俺な?オンナに生まれたのは納得いかねーけど、親友になったのが香織でホントに良かったって思ってる。



「いろいろありがとう!香織は一生姫奈の親友」



俺にこんなカワイイ字を教えてくれたのも香織だった。



顔に似合わず達筆な夢奈母と違ってイマドキの(まぁギャル文字だが)をお手製の練習帳まで作って教えてくれた香織。



オンナという道がわからない時いつも手を引いてくれた。



黙っていたらプリティー姫奈な俺だけど、ホントは大雑把で、全然気遣いが出来なくて、それを母親のように見てくれてた香織。



だって夢奈さんは……母親とは別ジャンルじゃね??



きっと、家族よりも、和樹よりもホントの俺を知ってるのは香織だと思う。