「姫ちゃん……ごめんね」
っておいっ!何急に泣いてんだよ。
ぼろぼろぼろぼろ……音もなく静かに涙が流れ落ちる。
「別に謝る事ないよ?どうしたの?」
「だって……ママもパパと離れたくなくって。でもパパについて行ったら姫ちゃんと和樹君は離れなきゃいけないんだもんね。」
「夢に見るまで悩んでるなんて知らなかったの。ママのわがままで……ごめんね」
ぐすっ。ぐすん……。
俺は……不覚にももらい泣きをしてしまっていた。
親の気持ちなんて考えてなかった。今まで一人で転勤してた親父。それを待ってた母親。
辛かったんだ……よな?
ずりぃーよ。
悔しいけど。両親一緒にいさせてやりてーって思うだろ?そんなん聞いたら。
俺と和樹も……親達みたいに離れた時間があっても、また恋人に戻れるよな?



