「著者に相談に乗ってもらえよ?」
手をひらひら振る優弥に見送られ階段を降りていく。
っていうか……なんで本なんて書いてるんだ???
貿易会社で勤める父親が母親と出会ったのは喫茶店って言ってたよな?
駅前の喫茶店でバイトしてた母親に父親が一目惚れして……通って通ってモノにしたって事しか知らないし。
なんで喫茶店でバイトしてたヤツが本なんか書いてるんだ!?優弥も直接聞けば?とかいって教えてくれなかったし。
でも……あんまり聞きたくないんだよな。
鼻歌を歌いながらアイロンをかけてるママンへと寄り添って
「ちょっといい??」
「どーしたの?姫ちゃん。暗い顔しちゃって!!」
ふんわり笑う夢奈母。
このメルヘンさんが……ねぇ?夢見がちだと言えなくもないが。



