あー、そりゃキツイわ。
優弥はそんな表情で俺を見た。
「ちょっと待ってな?」
ゴソゴソ。
ガサガサ。
優弥の部屋は大量の本で埋め尽くされている為探し物も大変だ。
芸術系の本が多いが時折恋愛小説なんかも混じっていて笑える。あのゴッホの画集の隣においてある「LOVE BOX」とかいう本も間違いなくそうだろう。
ぷっ、しかし似合わねー!!
「姫?どうした??」
「い、いや。何でもないし!!」
……危なかった。
ってかアイツ……キレイな顔なんだし彼女つくりゃいいのにな。
そしたら俺は彼女をお姉様とか……呼ぶ??
呼べるかっ!!気持ち悪い。
やっぱり優弥には当分このままでいてもらおう。
パンパンパンっ。
派手な音とともに部屋中が一気に白くなる。
「久しぶりに見たな~この本。こんなに埃かぶっちゃって」
【神崎 夢奈 著 アナタの夢診断】
「ほら、これ持ってきな」
夢診断……な。
?????
神崎 夢奈 著って・・・ママンの旧姓じゃ!?



