苦労の果てに辿り着いた展望台は夕焼けに満ちた街並みに、高い場所にあるが故の優しく冷たい風。
周りはカップルだらけ。
みんな頑張って来たんだな。
「姫奈、やっと着いたね!!」
優しく髪をなでてもらって。
初めて……抱きつく訳じゃなく俺から和樹に体を預けた。
「おわっ。どした??急に!!!!」
和樹が照れる。
ゴメンな、俺今汗かいてるし、メイクは落ちてるし、キレイな姫奈じゃないかも。
でも、なんでだろう。
和樹にここに連れてきてもらった気がするんだ。
今はその気持ちに素直に甘えたい。
いつか俺が和樹を守るから……。



