「...大体お前はいつもいつも.....ん?」
ずっと説教していた男が、まぬけ顔で突っ立っている私に気が付いた。
「...誰だ、てめぇ....」
そう言いながら、すごい形相でこちらを睨んできた。
「え、えっと....」
私があたふたしていると、沖田さんが代わりに説明してくれた。
「この子、酒で酔った浪士に襲われそうになってたんで、助けたんですよ」
そう言ってニコッと笑う彼は、本当に紳士のように思える。
だけど、なぜだろう。
彼の笑顔の裏には、何かが隠れているような気がする。
それも、黒い感じの....。
「そうか。...それにしてもそいつ、変わった格好をしているな」
何だかさっき聞いたようなセリフが聞こえて、私は今の状況を思い出した。
そういえば私、そのことでここに連れて来られたんだった...。
「そうなんですよ。なので、ここに連れて来たんです。....怪しいと思いませんか?」
そう言って、左の口角を上げた沖田さんの周りに、黒いオーラが見える。
「...そうだな。...貴様、何者だ」
土方さんはそう言うと、視線を真っ直ぐこちらに向けた。
結構ズバッとくるのね。
でも、何者かと聞かれても、どう答えればいいのか分からないよ~....。

