…いや、いいんだ。 悔しくなんかない。 俺だってデートだからね。 ゲーム機を操作して、ゆりちゃんとのデートコースを選択する。 『手…繋いでもいい?』 イヤホンから聞こえるアニメ声に、いつもだったらテンションが上がるはずなのに。 「…何だよ」 何でだか、心が晴れない。 もう一度窓の外を見たけどもう凛子はいなくて。 ゆりちゃんにときめかないなんて、どうしたんだ、俺。