「今日は珍しく君に優しくしているクラスメートがいたみたいじゃないか?」


そう言われ、一瞬キョトンとしてしまうあたし。


だけど、すぐに昼間暖に話かけられた事を思いだした。


「あぁ……最初は暖も犯人かもって思ったけれど、あの根性なしがあたしを階段から付き落とせるとは思えないから」


そう言い、左右に首をふる。


暖はあたしのストーカーになる可能性はあるかもしれないけれど、それにはまだまだ時間がかかりそうな気がする。


「そっか。確かに成本が誰かを傷付けるところは想像できないな」


「でしょ?」


「だけど、犯人は必ず学校内のどこかにいる」


「うん」


あたしは頷く。


気がつけば下駄箱まで来ていて、あたしたちはそれぞれに上履きをはき替えた。