暖の顔はみるみるうちに赤く染まり、そして何度も頷いた。


恋人のようにくっつく事ができないかもしれないが、2人きりでいる場面は十分に使える写真になるだろう。


あたしはそっと暖の手を握りしめた。


あたしの手が触れた瞬間、暖はビクッと体を硬直させ一瞬にして手に汗をかき始めた。


同じクラスメイトに手を握られるだけでこれほど緊張しているんだから、結香と密着するなんて絶対に無理だろう。


でも、大丈夫。


あたしがちゃんと後押ししてあげるから。


「じゃ、よろしくね」


あたしはそう言うと、暖を残して教室へと戻ったのだった。