輪廻転生 絆が繋ぐ運命の転生 上

『いったい何のつもりだい?まさか、負けでも認めると?』

「負けは認めない、俺は話しがあるんだ」

『ん?』

「お前に、俺の命をくれてやる、だから凛と雫夏を離せ!」

「凛空……」

初めて雫夏先輩の名前を呼んだ。

『お前の命をかぃ?』

「あぁ」

『よしわ分かった』

「きゃっ!」

鬼女は、私を突き放すと凛空のところへと歩いていく。

『お前の力は、あの小娘より強いからねぇ、お前の心臓を食べれば、私はもっと強くなれる』

「しかし、ただではくれてやらない。先に雫夏を返せ」

『わかったよ。この女は、ただの嫉妬の固まりに過ぎないからねぇ』

鬼女は、手の平に雫夏先輩の魂を出すと、それを床に向かって放った。

『これで、女のところに魂は戻った。これで目覚める保証はしないけどさ』

「別にいいさ」

「駄目だよ!凛空っ!」

私は、凛空に呼びかける。

「鬼女なんかに命なんてあげないで!」

「お前を助けるには、これが一番なんだ」

私は、斬撃符を取り出し鬼女に向かって放った。

『無駄な抵抗だよ』

鬼女に向かった斬撃符は、力を失ったようにその場にひらひらと落ちた。

「な、なんで?!」

『そんなの知らないさ、それはもうお前の力がないってことじゃないのかい?』

確かに、玄武を召喚するには騰蛇以上の体力と力を使う。