輪廻転生 絆が繋ぐ運命の転生 上

「……ちっ!」

再び指を鳴らそうとする朱雀だけど、蜘蛛の巣の張る力が強くて、うまく手を動かせない。

「朱雀!」

『これで、もう動けないよ』

「あー……、めんどくさ」

どうしよう、このままじゃ朱雀が危ない。

私は、騰蛇の符に触れる。

(騰蛇は、前の戦いのせいで傷は癒えていない、無理に戦わせるわけには行かない。なら…)

私は、符を取り出し呪文を唱える。

「我と契約せし十二天将よ、我が呼びかけに応えたなら姿を現し、我の助けとなれ玄武(げんぶ)よ。急急如律令!」

符の中からは、大剣を担いだ男の人が姿を現し、ゆっくりとその場に降り立った。

「ふーっ、久しぶりの妖退治だな!」

「お願い玄武!朱雀を助けて」

「朱雀を?」

玄武は、朱雀のところに向かって宙に浮かぶ。

「なんだなんだ?まだガキの朱雀が、こんなところでお寝んねですか?」

「うるせぇなじじぃ……、そのまま引っ込んでろ」

「なっ!じ、じじいとはなんだ!俺はまだじじいじゃねぇ!」

「お前年取らねぇだろ……。だから、お前はもうじじいなんだよ」

「このクソガキ!言わせておけば」

……あれ?

もしかして、二人ってものすごく仲悪いの?