『雫夏って子は、ここさ。お前が女と別れた時、嫉妬の心になった女を食ったのさ。嫉妬は、私の大好物だからね』
「雫夏先輩を、食べた?!」
「嫉妬だと?」
『おや、まだ気づかないのかい?』
私はすぐに気づいた。
雫夏先輩は、凛空のことが好きだったんだ。
でも、好きな人に一回も名前を呼ばれたことがない。
でも、私は呼ばれている。
雫夏先輩の心は、嫉妬に呑まれて、鬼女の中に……。
「副会長は、まだ助かる」
『馬鹿なこと言うんじゃないよ、もし助かるんだとしても、お前がこの子の名前を呼ばないんじゃ、この子は私の中からは出てこない』
「ちっ!」
凛空は、符を一枚取り出して呪文を唱える。
「我と契約せし十二天将よ、我が呼びかけに応えたなら姿を現し、我の助けとなれ朱雀(すざく)よ。急急如律令!」
符は炎の渦を巻き上がらせると、大きな鎌を持った少年が姿を現しす。
「なんだよ凛空、めんどくさいところに僕を呼び出すなよな」
「妖退治だ。手を貸せ」
「めんどくさ……」
こ、この人が朱雀?!
私が予想していた朱雀と大分印象が違うんだけど……。
「雫夏先輩を、食べた?!」
「嫉妬だと?」
『おや、まだ気づかないのかい?』
私はすぐに気づいた。
雫夏先輩は、凛空のことが好きだったんだ。
でも、好きな人に一回も名前を呼ばれたことがない。
でも、私は呼ばれている。
雫夏先輩の心は、嫉妬に呑まれて、鬼女の中に……。
「副会長は、まだ助かる」
『馬鹿なこと言うんじゃないよ、もし助かるんだとしても、お前がこの子の名前を呼ばないんじゃ、この子は私の中からは出てこない』
「ちっ!」
凛空は、符を一枚取り出して呪文を唱える。
「我と契約せし十二天将よ、我が呼びかけに応えたなら姿を現し、我の助けとなれ朱雀(すざく)よ。急急如律令!」
符は炎の渦を巻き上がらせると、大きな鎌を持った少年が姿を現しす。
「なんだよ凛空、めんどくさいところに僕を呼び出すなよな」
「妖退治だ。手を貸せ」
「めんどくさ……」
こ、この人が朱雀?!
私が予想していた朱雀と大分印象が違うんだけど……。



